世界と日本 サッカーゴールキーパーのレベルの違い

浜辺サッカー

日本サッカーのレベルはJリーグの開幕以来、着々と進歩を遂げています。ただ、世界中のライバルたちも成長の努力を怠ってはおらず、強豪国とのレベルの差はなかなか縮まらないのも現実です。特に世界の強豪と差があると言われるのが、ゴールキーパーの力量です。日本のサッカー界では長い間ゴールキーパーが重要視されてこなかったため、ゴールキーパー志望の選手が少なくなり、世界との差が広がってしまいました。

世界でもゴールキーパー人気が高い国は、伝説的な名選手が出て来ています。2002年の日韓W杯で決勝戦まで進んだドイツには、闘魂溢れるオリバー・カーンがいました。その後もドイツは名キーパーを生み、2014年のブラジルW杯の優勝メンバー、マヌエル・ノイアーは足元のボール扱いで世界一と賞されています。堅い守備がお国柄のイタリアには10代から代表のゴールを守ったブッフォンがいますし、スペインならW初優勝時のキャプテン、カシージャスが挙げられるでしょう。古くなりますが、1960年代から90年代までプレーし続けた元イングランド代表のピーター・シルトンは、なんと1390試合出場という不滅の大記録を持っています。

日本にも名キーパーはいます。同世代の川口能活と楢崎正剛は長く日本代表でレギュラー争いを繰り広げ、W杯とオリンピック、アジアカップなどの国際大会でほぼ交互に日本のゴールマウスを守り、日本サッカー史に残るライバル関係となりました。

日本と世界トップのキーパーたちの力量は、細かくどこがどうというより、全てにおいて差があると見るのが妥当です。キーパーにはキャッチングやセーブ、飛び出しの早さや判断力、キックの正確性とコーチングなど多様な要素が求められます。たった一人しかいないポジションですから一つだけ飛び抜けていても、他にカバーしてくれる味方はいません。全ての能力が一定水準に達している必要があり、どれかひとつの能力を磨くのではなく、ひたすら総合力を高めていくのが世界トップクラスと対するために欠かせないのです。日本人は背が高くない代わりに俊敏性に優れるため、至近距離のシュートへの反応を高める方向性はあっていいでしょう。逆に語学力が無いとコーチングが出来ないため、外国でプレーする日本人キーパーを増やすために語学学習は必須の課題です。

キーパーのレベルが上がると、より良いシュートを打とうしてフォワードのレベルも上がります。日本サッカーの進化はキーパーのレベルアップにかかっているといっても過言ではないでしょう。